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校務の情報化推進セミナー2011 神戸会場 セミナーレポート
2011年9月24日(土)兵庫県神戸市の三宮研修センターにて「校務の情報化推進セミナー」が開催されました。県内外から42名の先生方の参加がありました。
実践報告
コーディネーター
堀田龍也(玉川大学教職大学院 教授)
発表者
橋本美勝(名古屋市立平針南小学校 校長)
片山淳一(岡山県総合教育センター情報教育部 指導主事)
「校務の情報化」を進めている小学校の校長先生、教育センターの先生の立場から日頃の取り組みについて発表していただきました。

橋本先生からは、長いスパンでの計画を立てて進めてきた校務の情報化について報告がありました。学校に赴任した2年前には、ほとんど情報化が進んでいなかったという状況から、校務支援システムを活用して、情報化を進めているというお話がありました。教員が作業の効率化を実感しやすい「通知表作成」や「成績処理」から校務支援システムの導入を始めること、本格的なシステム導入の前にお試し期間を設けて徐々に教員の理解を得ることなどがポイントとして挙げられました。

片山先生からは、教育センターで実施している「校務の情報化研修」、「情報化の推進体制づくり研修」についての報告がありました。研修のコンセプトは、「情報化の本来の姿を体感してもらうこと」ということで、校務支援システムを体験する研修、校務支援システムがある場合とない場合を比較して協議する研修などが紹介されました。紹介された研修内容は、教育センターのみならず、学校での校内研修のヒントとなりました。

実践報告の途中には、参加者が2人1組のグループとなって、グループ内で情報交換・意見交換も行われました。
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操作体験
進行
鈴木真理(スズキ教育ソフト株式会社 インストラクター)
天野衣美(スズキ教育ソフト株式会社 インストラクター)
実践報告と同じグループで、校務支援システム〈スズキ校務シリーズ〉の操作体験を行いました。

テスト結果や日々の評価データから自動的に評価・評定が算出できる機能や、すでにある出欠情報や成績情報を流用して、通知表や指導要録を自動的に作成できる機能が紹介されると、参加者から学期末・学年末の負担が軽減されるという声が聞かれました。
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調査報告
発表者
山本朋弘(熊本県教育庁教育政策課 指導主事)
校務情報化支援検討会が実施した校務の情報化に関するアンケート調査について、山本先生より報告がありました。

調査結果から、校務支援システムの利用者は、未利用者よりも校務支援システムの各機能の必要性を高く実感していることが示されました。また、教諭等と管理職等で比較した結果についてもお話がありました。調査結果が発表される本検討会Webや学会発表の予定についても紹介されました。
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総括講演
講師
堀田龍也(玉川大学教職大学院 教授)
堀田先生の総括講演では、校務を情報化する意義や校務支援システムを導入する際の注意についてお話がありました。

「校務の情報化は、子どもたちの学力の向上とは遠いように思われていますが、それは違います。量的にみれば、先生が雑務から解放されて子どもと向き合う時間を確保できるようになります。質的にみれば、子どもたちに関する情報の蓄積と共有ができ、質の高い指導ができるようになります。」と堀田先生。これから校務の情報化を進める学校や自治体へのアドバイスとして、「校務の情報化は、すべての先生がやる時代です。先生が直感的に使用できる校務支援システム、先生本来の仕事、つまり子どもたちへ指導に活かせる機能がある校務支援システムを選んでほしい。」とお話がありました。
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