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校務の情報化推進セミナー2013 熊本会場 セミナーレポート
2013年10月19日(土)熊本県熊本市・くまもと森都心プラザにて「校務の情報化推進セミナー」が開催されました。県内外から51名の先生方の参加がありました。
趣旨説明
講師
堀田龍也(玉川大学教職大学院 教授)
堀田先生から本セミナーの趣旨説明がありました。
はじめに、文部科学省が毎年行っている学校における教育の情報化に関する調査結果から、九州地区の校務用コンピュータ整備率や校務支援システムの導入率を確認しました。
続いて、堀田先生から本セミナーのポイントの説明がありました。「校務の情報化の目的は、校務を情報化することではありません。学校経営を良くすることが目的です。校務を情報化することによって、より良い学校、より良い学習指導ができることが本来の目的なのです。操作体験や分科会では校務の情報化の理念だけではなく、具体を理解し、説得力のある校務支援システムの導入提案に繋げてください。」との言葉が、この後の操作体験・分科会に向けて伝えられました。
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操作体験
進行
若村衛美子(スズキ教育ソフト株式会社 インストラクター)
尾藤唯(スズキ教育ソフト株式会社 インストラクター)
受講者が2人1組になって、校務支援システム〈スズキ校務シリーズ〉の操作体験を行いました。
「名簿」、「出欠席」、「成績」、「通知表」、「指導要録」など、校務支援システムの機能を使って年度初めから年度終わりまで1年間の校務を体験しました。
欠席理由ごとの日数を自動集計できる機能、出席簿・成績処理の情報を通知表や指導要録へと自動で転記できる機能に、参加者から驚きの声が上がりました。また評価「B」を目立たないようにして間違いがないかチェックしやすくする機能、前学期と成績を比較できる機能などが紹介され、成績の信頼を高めるための便利な機能の数々に受講者は実務での有効性を実感していました。
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分科会
分科会は、コースA~Cの3つのコースに分かれて行いました。分科会は少人数で、受講者同志のディスカッションも交えながら進められました。
●コースA:小学校での活用
講師
江口浩文(佐賀市立西与賀小学校 校長)
新谷裕幸(柳川市立豊原小学校 校長)
新保元康(札幌市立幌西小学校 校長)
講師の先生から、校務支援システムの導入に至るまでの経緯や学校の取り組みについて発表していただきました。
江口先生からは、通知表をデジタル化するまでの働きかけや導入後の効果について、「子どもと向き合う時間を作り出すためには、校務の情報化は不可欠である」とお話がありました。
新谷先生からは、教育委員会との連携、またシステムを継続して使うための工夫や見通しを立てて進めることについて、自らの経験談を踏まえたアドバイスをいただきました。
新保先生からは、「校務支援システム導入の際には、現場のニーズにあったシステムを見極めてほしい」とお話があり、学校で取り組んでいる出席簿管理や通知表作成の流れについて発表がありました。
発表中は、終始頷きながら熱心に耳を傾ける受講者の姿が見られました。質疑応答でも、各学校・各自治体での現状、システムのセキュリティ面等、多くの意見や質問があり、活発な情報交流が行われました。
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●コースB:中学校での活用
講師
金俊次(米沢市立東部小学校 校長)
延堂雅弘(岡山市立旭竜小学校 校長)
野村明央(枚方市立伊加賀小学校 教頭)
講師の先生から、「校務の情報化」に関する学校の取り組みについて発表していただきました。
金先生からは、校務の情報化の効果について報告がありました。校務の情報化を行って、管理職として学校全体の状況を掴むことができるようになったそうです。「学校経営のツールとしても、とても大事だなと感じている」とお話がありました。
延堂先生からは、校務支援システムの導入と研修についてお話がありました。システム導入の際に大事なことは、「何のためにこのシステムを入れるのかということを、校長先生や市がはっきりと明確に示しておくこと」とお話がありました。
野村先生からは、学校のセキュリティ対策について紹介していただきました。「学校から情報を持ち出せないような対策をしていて、不便であることが最大のセキュリティとなっています」とお話がありました。
受講者の各自の学校で直面する課題について話し合い、具体的にどのように働きかけていけば良いのか、お互いに情報交換・意見交換する姿が見受けられました。
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●コースC:教育委員会としての導入
講師
片山淳一(岡山県総合教育センター情報教育部 指導主事)
高橋伸明(笠岡市教育委員会学校教育課 統括)
片山先生が司会者となって、各地域の校務の情報化の現状、校務支援システムの導入に向けての課題や対策について、受講者からも出していただきながら、分科会を行いました。
高橋先生からは、笠岡市で校務支援システムを導入した事例について紹介がありました。計画的に、段階的に校務支援システムを導入していくこと、システムの操作研修も契約の中に含めることなどが、導入時のポイントとして挙げられました。
受講者からは、校務支援システムの具体的な販売形態やデータの互換性、セキュリティなどについての質問がありました。
最後のまとめとして、「校務支援システムで色々な情報を蓄積していき、教育の質の向上へつなげていく。情報を役立て、素早く学校経営の判断をしていただく。その良さを教育委員会として、外に広げて伝えていくことが大事だと思います。」と片山先生からお話がありました。
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総括講演
講師
堀田龍也(玉川大学教職大学院 教授)
堀田先生から、校務の情報化を有効に生かす学校経営についてお話がありました。
「校長の判断、教員の判断、学校・学級経営の判断など様々な経営上の判断を支援するのが校務支援システムです。校務の情報化は、学力にあまり関係ないと後回しにされる傾向がありますが、校務の情報化を行うことで、教師は雑務から解放され、解放された時間を子どもたちと向き合う時間に使うことができます。また、児童生徒の家庭状況や学びの情報、特別活動の情報等が蓄積されることにより、理由や背景を踏まえた質の高い判断や指導が可能となります。校務の情報化は、学力に大いに関係しているのです。」と堀田先生。
これから校務の情報化を進める自治体や学校へのアドバイスとして、「教師が質の高い学習指導をするために校務支援システムを導入するならば、何よりも最優先にすべきは使い勝手とデータのセキュリティです。校務の情報化が上手くいっている自治体や校務支援システムを安定的に運用している自治体を積極的に見に行って、調査してから導入してください。」とお話がありました。
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