調査研究ページ
調査結果(ダイジェスト版)
1.学校・回答者の基本情報
回答した学校の基本情報、回答者の属性の割合は、以下の通りである。
学校の児童生徒数
学校の児童生徒数
回答者の性別
回答者の性別
回答者の教員歴
回答者の教員歴
2.基礎集計
回答者全体の校務支援システムの機能の有用感、校務支援システムの機能の必要感、校務の現状の平均値を求めた。
校務支援システムの機能の有用感
校務支援システムの機能の有用感
22項目すべての平均値が中央の3.5を超えた。
上位の機能は、「通知表の印刷」、「成績一覧表の印刷」、「通知表の「出欠の記録」の自動入力」、「出席簿の自動作成」、「名簿レイアウトの編集・印刷」であった。
下位の機能は、「家庭への連絡メール」、「時数管理」、「電子申請・承認、公文書管理」、「学校日誌の作成」、「施設・備品の予約」であった。
このことから、質問した22項目はすべて有用な機能であり、名簿・帳票の印刷機能や入力したデータを再利用する機能に高い有用性を感じていると考えられる。
校務支援システムの機能の必要感
校務支援システムの機能の必要感
22項目すべての平均値が中央の3.5を超えた。
上位の機能は、「通知表の「出欠の記録」の自動入力」、「通知表の印刷」、「成績一覧表の印刷」、「指導要録・調査書の印刷」、「出席簿の自動作成」であった。
下位の機能は、「家庭への連絡メール」、「時数管理」、「電子申請・承認、公文書管理」、「学校日誌の作成」、「施設・備品の予約」であった。
このことから、質問した22項目はすべて必要な機能であり、帳票の印刷機能や入力したデータを再利用する機能に高い必要性を感じていると考えられる。
校務の現状
校務の現状
「子どもとの時間確保」、「教師の負担軽減」の2項目は、平均値が中央の3.5を超えなかった。
「情報共有」、「効率的な処理」、「個人情報保護」の3項目は、平均値が4.0を超えた。
このことから、「子どもとの時間確保」、「教師の負担軽減」は、他の項目に比べて軽減されにくい項目と考えられる。また、「情報共有」、「効率的な処理」、「個人情報保護」は、すでに学校では意識されている項目と考えられる。
3.校務支援システムの利用経験の有無による比較
校務支援システムの利用者、未利用者に分けて、校務支援システムの機能の必要感、校務の現状の平均値を求めた。利用者760人と未利用者650人で比較した結果である。
校務支援システムの機能の必要感
校務支援システムの機能の必要感
すべての項目で利用者群が未利用者群より平均値が高かった。22項目中19項目で有意な差が見られた。
両群の差が大きかった項目としては、「出欠状況の把握」、「学習履歴の把握」、「生徒指導情報の共有」、「家庭への連絡メール」などの日常的な情報把握の機能や、「通知表レイアウトの編集」、「成績・所見の入力支援」、「成績一覧表の印刷」、「通知表の印刷」などの学期末処理などの項目であった。
このことから、校務支援システムの利用者は未利用者よりも校務支援システムの各機能の必要性を高く実感しており、特に日常的な情報把握の機能や学期末処理の機能に必要性を感じていると考えられる。
校務の現状
校務の現状
すべての項目で利用者群が未利用者群より平均値が高かった。5項目すべてで有意な差が見られた。
両群の差は、「教師の負担軽減」が約0.8、「効率的な処理」が約0.6、「情報共有」が約0.5であった。
このことから、校務支援システムの利用により「教師の負担軽減」、「効率的な処理」、「情報共有」が改善されると考えられる。
4.校種による比較
小学校、中学校に分けて、校務支援システムの機能の必要感の平均値を求めた。小学校1,136人と中学校419人で比較した結果である。
校務支援システムの機能の必要感
校務支援システムの機能の必要感
「名簿への兄弟情報の登録」,「在籍人数の把握」,「出席簿の自動作成」,「健康診断票の印刷」,「家庭への連絡メール」,「時数管理」,「施設・備品の予約」の7項目において,中学校と比較して,小学校が有意に高い結果となった。
「テスト結果の集計・印刷」の1項目において,小学校と比較して,中学校が有意に高い結果となった。
このことから、小学校では、名簿・帳票の作成や校務管理の機能に対して、中学校では成績集計の機能に対して、より必要性が感じられていると考えられる。
5.管理職等と教諭等での比較
管理職等、教諭等に分けて、校務支援システムの機能の必要感の平均値を求めた。ここでの「管理職等」とは,校長,副校長・教頭,主幹教諭,主任教諭,養護教諭,栄養教諭であり,学校全体に目を配る職種のことを指す。「教諭等」とは,指導教諭,教諭,助教諭,講師であり,主として学級事務を中心に行う職種のことを指す。管理職等239人と教諭等1,316人で比較した結果である。
校務支援システムの機能の必要感
校務支援システムの機能の必要感
「出欠状況の把握」の1項目において,教諭等と比較して,管理職等が有意に高い結果となった。
「評価・評定の自動計算」「学級編成案の作成」,「成績・所見の入力支援」,「通知表の「出欠の記録」の自動入力」,「指導要録・調査書の印刷」の5項目において,管理職等と比較して,教諭等が有意に高い結果となった。
このことから、管理職等は、日常的な情報把握の機能に対して、教諭等は成績入力補助や学期・学年末処理の機能に対して、より必要性を感じていると考えられる。