調査研究ページ
校務の情報化に関するアンケート調査
校務支援システムの機能に関する調査
校務支援システムの機能に関する調査の概要は、以下の通りである。
調査のねらい
校務支援システムの機能に関する有用感や必要感、校務の情報化の現状を明らかにする。
調査方法
調査への協力が得られた32都道府県の公立小・中学校に依頼状と調査用紙を郵送し、郵送で回収した。
調査期間
平成23年4月29日~6月3日
調査対象
32都道府県の公立小・中学校176校、2,573人に対して送付を行った。
返信があった学校は149校、有効回答数は1,583人(有効回答率61.5%)であった。
調査項目
各校の調査担当者向けと各教員向けで調査用紙を分けて、調査を行った。
●各校の調査担当者向け
【学校の基本情報、ICT環境の整備状況】 5項目
児童生徒数、教員数、学級数、教員用コンピュータ数、ネットワーク回線の種別について、選択肢の中から回答を求めた。
●各教員向け
【校務支援システムの利用経験】 1項目
校務支援システムの利用経験について、選択肢の中から回答を求めた。
【校務支援システムの機能の有用感】 22項目 (校務支援システムの利用者のみの回答)
市販の校務支援システムに実装されている典型的な機能を、機能名と機能説明として22項目に整理し、提示した。
機能名 機能説明
1 名簿への兄弟情報の登録 入力されている住所・電話番号・保護者名などの情報から兄弟関係を自動検索し,名簿に兄弟情報を登録できる機能
2 名簿レイアウトの編集・印刷 学級,居住地区,クラブ,委員会活動など目的に合わせたさまざまな種類の名簿を,必要な情報を組み合わせて自動的に作成し,印刷できる機能
3 在籍人数の把握 入力されている居住地区・クラブ・委員会活動などの情報からそれぞれに所属している在籍人数一覧を見ることができる機能
4 学級編成案の作成 次年度の学級編成案を複数作成でき,採用した学級編成案が反映される機能
5 テスト結果の集計・印刷 入力されているテストの得点から学級・学年単位の集計表,児童生徒それぞれの得点推移表や進路指導資料などを自動的に作成し,印刷できる機能
6 評価・評定の自動計算 入力されているテストの得点や学習成果物の評価などから自動的に学期末・学年末の観点別評価・評定の案を作成できる機能
7 成績・所見の入力支援 成績や所見を入力する時に,前学期の成績や生徒指導情報,顔写真,所見の定型文などを参照できる機能
8 成績一覧表の印刷 入力されている個々の成績から学級単位の成績一覧表を自動的に作成し,印刷できる機能
9 通知表の「出欠の記録」の自動入力 入力されている日々の出欠情報から出欠席合計を自動的に集計し,通知表の「出欠の記録」を作成できる機能
10 通知表レイアウトの編集 項目やレイアウトを調整し,学校独自の様式で通知表を作成できる機能
11 通知表の印刷 入力されている成績や所見から児童生徒個々あるいは学級全体分の通知表を印刷できる機能
12 出席簿の自動作成 入力されている日々の出欠情報から自動的に月・学期・年間の出席簿が作成できる機能
13 指導要録・調査書の印刷 入力されている名簿情報,出欠情報,成績情報などから自動的に指導要録や抄本,調査書を作成し,印刷できる機能
14 健康診断票の印刷 入力されている健康診断の記録から健康診断票や学級・学年単位の集計表を自動的に作成し,印刷できる機能
15 生徒指導情報の共有 教員が把握した児童生徒それぞれの活動の様子や配慮事項などを必要に応じて教員間で共有・参照できる機能
16 学習履歴の把握 児童生徒それぞれの過去年度の出欠情報や成績情報などを見ることができる機能
17 出欠状況の把握 当日の学級別欠席・遅刻・早退者数やその理由別人数,および長期欠席者の欠席日数や欠席理由を一覧で見ることができる機能
18 家庭への連絡メール 入力されている保護者や地域の人のメールアドレスに学校から連絡メールを一斉送信できる機能
19 時数管理 入力されている学級時間割,学校行事をもとに授業時数を自動計算し,週案簿で記録した授業の実施状況と照らし合わせて,学習進度の把握ができる機能
20 電子申請・承認
公文書管理
年休や出張の申請・承認を行ったり,教育委員会から送られてきた公文書の受付・管理・稟議を行ったりすることができる機能
21 学校日誌の作成 入力されている行事予定・教員の出張・年休・義務免除・特休などの情報をもとに自動的に学校日誌を作成できる機能
22 施設・備品の予約 学校内にある施設・備品の利用予約や利用状況の把握ができる機能
22項目について、役に立つ機能だと感じているかどうかたずね、「6:非常に役に立つ」から「1:全く役に立たない」までの6段階で回答を求めた。
【校務支援システムの機能の必要感】 22項目
市販の校務支援システムに実装されている典型的な機能を、機能名と機能説明として22項目に整理し、提示した。(校務支援システムの機能の有用感と同様)
22項目について、必要な機能だと思うかたずね、「6:非常に必要である」から「1:全く必要でない」までの6段階で回答を求めた。
【校務の現状】 5項目
校務支援システムによって期待される効果を以下の5つの観点として提示した。
観点
1 情報共有
 名簿や成績、公文書などについて、教師間で情報を共有できていると思いますか。
2 効率的な処理
 名簿や成績、文書作成などの校務を効率的に処理できていると思いますか。
3 子どもとの時間確保
 子どもと接する時間を確保できていると思いますか。
4 個人情報保護
 名簿や成績の管理など、児童生徒の個人情報が安全に保護されていると思いますか。
5 教師の負担軽減
 名簿や成績、文書作成などの校務処理で、教師の負担が減っていると思いますか。
5項目について、どのように思っているかたずね、「6:とてもそう思う」から「1:全くそう思わない」までの6段階で回答を求めた。
【回答者の属性、基本情報】 8項目
勤務先の校種、職名、分掌、性別、年齢、教員歴、授業でのPC活用頻度、校務でのPC利用頻度について、選択肢の中から回答を求めた。